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2015年7月18日土曜日

LEGO ムービー……ディストピアの中心で「すべては最高!」と叫ぶ

2014年/アメリカ
フィル・ロード、クリストファー・ミラー監督


あらすじ:
平凡な青年が類稀なる平凡力で世界を救おうとします。

※ちょっとネタバレしてるかもしれません。


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語り部が能天気だと、どんな景色も楽しく見えたりします。例えば「フォレスト・ガンプ」は、周囲で起きている事が割とシビアでヘヴィだったりしますが、主人公の頭がちょっとだけシンプルなばかりに「ちょっと大変だったけどまあ考え込むほどでもないよね」という気持ちであらゆる出来事を見ていられます。いや実際、結構ヘヴィなんだけどね。いじめられたり、戦争があったり。
シンプルに生きるという事は時に愚かに見えますが、時にとても賢かったりするものです。難しく考えていた事でも、考え抜いた先に得た答えは案外シンプルだったりするように。

LEGOの主人公もまたとてもシンプル。LEGOなだけあって造詣もシンプル。
「こんな平凡すぎる人が世界を救っていいの…?」ってちょっと不安になったりもするけど、それだけにすごく応援したくなるし、とっても可愛らしくてニコニコしてしまうんですよね。

ぱっと見のお話は「トイ・ストーリー」に似てるかもしれません。向こうも人形だし。でも私はそれよりも「マトリックス」に似てると思います。トイ・ストーリーは「自分たちは人間たちに遊ばれるためのおもちゃ」という自覚を持っていますが、LEGOの世界に住む人たちは「LEGOで遊ぶ人間」の事を知りません。どうやら次元が違うようです。自分たちの世界の外にまだ世界が広がっていることを知らないんですね。そして恐ろしく統制された世界で、統制されていると分からずに力の限り楽しんで生きています。テレビのチャンネルは一つしかないし、ヒット曲も一つしかない。すべてにマニュアルがあって、毎日同じことを繰り返して生きている。
傍から見ているとどっからどうみてもディストピアなんだけど、LEGOの住人はすんんんごく幸せそうです。今までのディストピア映画って、自由のない世界の絶望感をいかに表現するかに力を入れてると思うんだけど、この映画はなんかもう「ディストピアでーす!ヘーイ!Fooooo!!!」ぐらいのノリ。そんなこと知らないし、それがどうしたという底抜けの明るさで、どんな時でもただただ笑っちゃうんですね。ディストピアだと分かった後でも主人公は底抜けにハッピーな感じ。こういうディストピア映画もありなんだなと思いました。ちょっと、新しい。

この世界の良い所って、ディストピアとか割とハードな世界観していながら本当、平和ってところ。誰も死なないんですよね。最悪動けなくされちゃうだけで、バラバラにされちゃったりする訳じゃない。それはこの世界を作る「上にいるお方」の世界観がそうさせている訳で、神様が優しいと世界は優しいのだな、とほっこりしたり。ディストピアだけど。

オリジナルキャラに加えて、バットマンやスーパーマン、ダンブルドアにガンダルフなどなど、レゴならではのキャラクターも登場したり、声優がモーガン・フリーマンだったりリーアム・ニーソンだったりチャニング・テイタムだったりして何気に豪華。個人的には日本語吹き替え版の主人公の声が森川智之さんなあたり嬉しさに身悶えるんですが(映画版「シャーロック・ホームズ」、ドラマ版「SHERLOCK」でともにワトソン役をしています)、私と同じようなツボをお持ちの方にもぜひおすすめします。いいよ……森川さん、いいよ……!!

アクションシーンにはマトリックスのスタッフが関わっているそうで、もうほんとすごい。レゴってこんな動くんだ!?ってくらい動きます。ちゃんと既存のパーツを使っていて、しかも人形の動きも可動範囲内なのが憎いね。

このお話って親子のあり方、っていうのもテーマにあったりして、子供から大人まであそべるレゴを題材にしているからこその語り口なのがとてもいいです。自由な発想で遊ぶ子供から、ルールを踏まえて遊ぶ大人の、共通言語としてのLEGO。親と子が分かりあう、繋がりあうことの大事さのメッセージが、嫌みなく伝わってきて最後はほろりとしました。誰にでも安心しておすすめできる良い映画です。エメットのドヤ顔がたまらなく好きだ。


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2015年6月26日金曜日

RED……それゆけおじいちゃん大戦争


2010年/アメリカ
ロベルト・シュヴェンケ監督

あらすじ:
大人しくしてろって言うからぶっ殺してやりました!(サムズアップ)


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ブルース・ウィリスの真骨頂。ブルース・ウィリスにはヒット作が多いですが、その多くは「こういう映画だ」と予想がつきやすいというのがあるように思いますがどうでしょう?ブルース・ウィリスが出ていたら「ああ、ああいう感じだな」「ダイがハードな感じだな」ってなるでしょ?そしてその「ああいう感じ」を観に行くでしょ?そういう安定したキャラクターが彼の大いなる魅力ですよね。
しかしそれら大体の「ああいう感じ」が別作品であるにもかかわらず、その「ああいう感じ」も徐々に成長しているように思います。ダイ・ハード一作目の彼は半べそだったもんね。「畜生なんで俺がこんな目にぃ……!!」とか言って。それが今や年金受給者の役であるにもかかわらず衰えるどころかパワーアップしてて、「この程度でダイ・ハードなどと騒ぐんじゃない」という風格がうかがえます。
Windows95とWindows8がだいぶ趣の違うものであるように、彼の「ああいう感じ」も今はver.6.10くらいになっているんでしょうかね。何の話?分かりません。

ブルース・ウィリスばかりがこの物語の主人公ではありません。メインキャストは全員おじいちゃんとおばあちゃん!モーガン・フリーマンとジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンとは……分かってるなあ……。このメンツ、毒蝮三太夫でも軽々しく「この死にぞこないが」とは言えませんね!ランチャーでぶっ飛ばされるよ!

このお話の良い所は、恐ろしくスタイリッシュだという事です。おじいちゃんとおばあちゃんを使ってスタイリッシュにしようとか、ありそうでなかったですよね?ありましたかね?私もまだまだ映画に疎いので、スタイリッシュおじいちゃん戦争映画がございましたら是非教えていただけるとありがたいです。観ます。
それにしてもこのRED、まじお年寄りリスペクト過ぎる。監督はおばあちゃん子だったんだろうか。いわゆる拳で語るようなアクションはさほどないんですね。終盤にちょこっとありますが。続編ではイ・脱ぎ要員・ビョンホンが体を張った華麗なアクションを披露しますが、おじいちゃんおばあちゃんがそれをしたらやっぱおかしいのね。むしろそんな手段を取らなくても充分痺れるアクションシーンになるという事をこの映画は証明してくれました。拳で語らない分余計スタイリッシュ。それでいてちゃんと重力を感じるアクション。マトリックス以降、スタイリッシュと言えば宙を舞うような、体重を感じないアクションが主流でしたが、最近またちゃんと拳の乗った、痛そうなアクションに戻ってきたように感じます。

終盤の拳で語るアクションシーンですが、私この敵役のカール・アーバンがなんか好きなんですね。最近なんかだと海外ドラマの「オールモスト・ヒューマン」で主役をしてしました。残念ながらエピソード1で終わってしまいましたが。

彼のアクションはかなり重たい。体重が乗っているように見えるから、一つ一つの拳がとても痛そうに見えるんですね。それがとてもいいなあって思います。それでいてシュッとしたスマートさがあるから、鈍重な感じにはならない。
おじいちゃんを殴るとか結構酷い役回りなんだけど、おじいちゃんだって負けてない。とても強いし。だから何か、師弟関係のようにも見えるアクションシーンでね、楽しそうと言うか、リスペクトを感じるんですね。とてもいいアクションシーンだと思います。
話の終わり具合からしてREDの一味に加わりそうだなあと思ったのに、続編には出ていませんでした。何でだよー!残念極まりない。そういう部分もあって、私は続編よりもやはり一作目をかなり愛しています……続編は、なんか、おじいちゃん要素が薄まるんだよね。おじいちゃんがめちゃくちゃ強いからこそ良い映画なのになあ。

ストーリーにまるで触れてませんが、アクションのストーリーなんてあって無いようなもの。ブルース・ウィリスのみならずジョン・マルコヴィッチとモーガン・フリーマンもまとめてダイがハードなんだけど余裕しゃくしゃくで敵を蹴散らすよ!……という説明で充分じゃないですかね?なんたって「ああいう感じ」の真骨頂なわけですから。


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