モルテン・ティルドゥム監督
あらすじ:
解読不可能と言われた暗号を解いて、戦争に貢献した天才だけど、それはそれとしてゲイなので逮捕します。
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べネ様です。泣く子も黙るべネ様です。
ベネディクト・カンバーバッチ様です。
少なくとも私は黙ります。
出演する俳優が好きだったり、監督が好きだったりするだけでとりあえずチェックせずにいられないミーハーな人間なもので、SHERLOCK大好き人間といたしましては一も二も無く観に行きました。
恥ずかしながらアラン・チューリングと言う人を知らなかったのですが、最近になるまでその業績の性質と彼の性癖上、表舞台に彼の名前が出ることはほぼなかったようですね。不遇……戦争は不遇な人を産む……。
ベネさんはこういう役をやると光りますね。一般には認めてもらえない自閉症やアスペルガーの天才。スタートレックの彼はあまり光ったなー、今光ってんなーという印象が薄かったのですが、彼の繊細な表現力は、ダイナミックな映像よりも人の心理を描くために眼の動きを追っている時の方が冴えわたる気がします。
戦争の話になるとこれは人の数だけ主張がありますでしょうから、そこに至ってはあえて特筆しません。戦争映画ではあるけども、そこが主題の映画ではないと思うし……。彼が生きた時代にたまたま戦争が起こっていて、たまたま彼の能力が戦争の道具に利用できたというだけなんだなと思います。
この映画を通してみていると、「ゲイである」という事に対してこんなにも理解がないという事に驚きを覚えるんですね。いや理解はなくてもいいけど、犯罪になってしまうあたり、飛躍しすぎだろうと思うのは、私が今という時代を生きているからなんでしょうが。
アラン・チューリングがゲイであるために犯罪者とされた事を、政府が謝罪したのは2012年の事だそうです。ついこないだだよ!30過ぎたら3年前の事なんてホントちょっと前の事にすぎないよ。戦争から70年。そしてそれは「謝罪」ではなく「恩赦」なのです。恩赦……。
そりゃ謝る訳にはいかないんだろうけど。
それほどまでに同性愛の問題って根深いんだなという事に、改めて驚かされます。驚かされてる時点で、自分の無知さを恥じもします。
私だって同性愛の事を真に知っているかと言われれば、それはもう第三者にすぎませんので、偉そうには言えないな…とは、思うんだけど。思うんだけど、知らないこと、自分の中にない事を攻撃する性質にはやはり、疑問を覚えるんですね。
色々あって、いいじゃない。
そうは言えど、綺麗事で世界は回らない。人の数だけ考え方があるという事を否定できないのが世界を複雑にしているんだなあ。よおし、こうなったら人類を補完するしかないぞう。
あんまり映画の感想言ってないな。個人的にはエニグマの造詣が物凄くワクワクするんだけど、解読できたきっかけとかが、「いや天才なら気づいとけよ」って事だったりして、ちょっとショーンてなりました。一般的に分かりやすいエピソードになるようにちょっと目線を下げたってことは充分あるんだろうけども。それにしたって、それにしたって。それは暗号解読の基本ではないのかと。まあ映画的演出にケチをつけるのは野暮だからな……。でももう少し「なるほど全然わからん!わからんからこりゃ天才だー!」と思いたかったなという、頭の悪い感想。
個人的にキーラ・ナイトレイが好きなので、彼女が出てきてはつらつとしていると嬉しくなります。今回もそれだけでちょっと嬉しかった。
キーラ演じるジョーンは、多分彼が本当の意味で自分を愛していないことは分かっていたんでしょう。彼の告白に驚くこともなく受け入れますしね。彼女はそんなことより、彼が彼女を大事に思ってくれたことが嬉しかったんだろうな、それに、報いようとしたんだろうな……と思います。
彼女は恋愛がどうのこうのというのに一喜一憂するタイプではなく、チューリングと同じように、仕事が純粋に好きだったんじゃないかな、と。
もちろん、恋愛感情はあっただろうけど。
そして多分、アランも彼女の事が好きだっただろうけど。
好きって、不思議な感情ですね。恋人と友達の線引きは何が基準なんでしょうね。
ベネさんは同じアスペルガーの天才でもシャーロックとはまるで違うアプローチで演技してます。周りに理解されず、虐げられ、でも何が悪いのか分からず、人の顔色を窺って瞳がぶれる。
シャーロックの彼の演技は、コナン・ドイルの作品の中の彼を演じるという点ではとてもリアルでしたが、あれはあくまでフィクションだなと思うんですね。今作では、がんばってもうまくいかずに萎縮している人という現実的な人間像がとてもリアルでした。
そういう繊細さの表現、素晴らしいな、ベネさん、素敵だな、と思います。抱いてくれ!
↑励みになります!よろしくお願いします!
ベネディクト・カンバーバッチ様です。
少なくとも私は黙ります。
出演する俳優が好きだったり、監督が好きだったりするだけでとりあえずチェックせずにいられないミーハーな人間なもので、SHERLOCK大好き人間といたしましては一も二も無く観に行きました。
恥ずかしながらアラン・チューリングと言う人を知らなかったのですが、最近になるまでその業績の性質と彼の性癖上、表舞台に彼の名前が出ることはほぼなかったようですね。不遇……戦争は不遇な人を産む……。
ベネさんはこういう役をやると光りますね。一般には認めてもらえない自閉症やアスペルガーの天才。スタートレックの彼はあまり光ったなー、今光ってんなーという印象が薄かったのですが、彼の繊細な表現力は、ダイナミックな映像よりも人の心理を描くために眼の動きを追っている時の方が冴えわたる気がします。
戦争の話になるとこれは人の数だけ主張がありますでしょうから、そこに至ってはあえて特筆しません。戦争映画ではあるけども、そこが主題の映画ではないと思うし……。彼が生きた時代にたまたま戦争が起こっていて、たまたま彼の能力が戦争の道具に利用できたというだけなんだなと思います。
この映画を通してみていると、「ゲイである」という事に対してこんなにも理解がないという事に驚きを覚えるんですね。いや理解はなくてもいいけど、犯罪になってしまうあたり、飛躍しすぎだろうと思うのは、私が今という時代を生きているからなんでしょうが。
アラン・チューリングがゲイであるために犯罪者とされた事を、政府が謝罪したのは2012年の事だそうです。ついこないだだよ!30過ぎたら3年前の事なんてホントちょっと前の事にすぎないよ。戦争から70年。そしてそれは「謝罪」ではなく「恩赦」なのです。恩赦……。
そりゃ謝る訳にはいかないんだろうけど。
それほどまでに同性愛の問題って根深いんだなという事に、改めて驚かされます。驚かされてる時点で、自分の無知さを恥じもします。
私だって同性愛の事を真に知っているかと言われれば、それはもう第三者にすぎませんので、偉そうには言えないな…とは、思うんだけど。思うんだけど、知らないこと、自分の中にない事を攻撃する性質にはやはり、疑問を覚えるんですね。
色々あって、いいじゃない。
そうは言えど、綺麗事で世界は回らない。人の数だけ考え方があるという事を否定できないのが世界を複雑にしているんだなあ。よおし、こうなったら人類を補完するしかないぞう。
あんまり映画の感想言ってないな。個人的にはエニグマの造詣が物凄くワクワクするんだけど、解読できたきっかけとかが、「いや天才なら気づいとけよ」って事だったりして、ちょっとショーンてなりました。一般的に分かりやすいエピソードになるようにちょっと目線を下げたってことは充分あるんだろうけども。それにしたって、それにしたって。それは暗号解読の基本ではないのかと。まあ映画的演出にケチをつけるのは野暮だからな……。でももう少し「なるほど全然わからん!わからんからこりゃ天才だー!」と思いたかったなという、頭の悪い感想。
個人的にキーラ・ナイトレイが好きなので、彼女が出てきてはつらつとしていると嬉しくなります。今回もそれだけでちょっと嬉しかった。
キーラ演じるジョーンは、多分彼が本当の意味で自分を愛していないことは分かっていたんでしょう。彼の告白に驚くこともなく受け入れますしね。彼女はそんなことより、彼が彼女を大事に思ってくれたことが嬉しかったんだろうな、それに、報いようとしたんだろうな……と思います。
彼女は恋愛がどうのこうのというのに一喜一憂するタイプではなく、チューリングと同じように、仕事が純粋に好きだったんじゃないかな、と。
もちろん、恋愛感情はあっただろうけど。
そして多分、アランも彼女の事が好きだっただろうけど。
好きって、不思議な感情ですね。恋人と友達の線引きは何が基準なんでしょうね。
ベネさんは同じアスペルガーの天才でもシャーロックとはまるで違うアプローチで演技してます。周りに理解されず、虐げられ、でも何が悪いのか分からず、人の顔色を窺って瞳がぶれる。
シャーロックの彼の演技は、コナン・ドイルの作品の中の彼を演じるという点ではとてもリアルでしたが、あれはあくまでフィクションだなと思うんですね。今作では、がんばってもうまくいかずに萎縮している人という現実的な人間像がとてもリアルでした。
そういう繊細さの表現、素晴らしいな、ベネさん、素敵だな、と思います。抱いてくれ!
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