2015年7月8日水曜日

フィリップ、きみを愛してる!……愛しすぎて167年刑務所にぶちこまれる!

2009年/フランス・アメリカ
グレン・フィカーラ、ジョン・レクア監督


あらすじ:
彼の事が好きすぎて何度も脱獄してたら刑期が167年になりました。


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ゲイムービーなので、苦手な人は苦手かもしれません。私個人としては、そこまで生々しいとは思いませんでしたがキスシーンもセックス描写も出てきます。
ジム・キャリーは何でもやりそうだからまあいいとして、ユアン・マクレガーがゲイの役ってちょっとすごい、と思って劇場に足を運びました。なんたってミスター・スター・ウォーズだよ。若い頃こそハッパキメてラリッて水洗便所に流されて天井から赤子が落ちてくる幻覚におびえ苦しんだりする映画も出ておりましたけど。もう堅実なキャリアを積んだユアンが破天荒な役をやるとは思っていなかったのでびっくりです。




実際のところユアンはもんのすごく良かった。こんなにも「恋する乙女の顔」を表現できるもんかな?ジム・キャリーにロマンティックなことをされて、「もうとろけちゃう」って顔をするんだけど、本当に、本当に見ているこっちがドキドキするほどとけてるんですね。ユアンの演技力、あれだけでこの作品は良作と断言できます。彼は本当に、なんにでもなれるんだね。こんなに女子力高くて儚げなユアンは初めて見たし、何度見たっていいものです。女子力って料理が上手に出来るとかネイルが綺麗に塗れてるとかきっとそういうことじゃないんだよ。それをユアンに教えられたのが衝撃だよ。

多分ユアンは、プライベートで恋人のとろけるような顔を見るような機会が散々あったんだろうな、と思いました。という訳で私の中でユアンは勝手にロマンティストに位置づけられております。あんなに、誰かを全力で恋する乙女の顔をさせてきた男だとしたら相当ですよ。愛妻家で有名だし、奥さんはきっと幸せ者だな。

セックスシーンがあるよ、と前述しましたけど、なんかもう笑っちゃうのね。いつものキレたジム・キャリーだと思ってくれれば大体合っていると思います。全然エロくないけど、えげつなくはあるので、穏やかな気持ちでいたい日に観るものではないと思います。

このお話は実在の人物がモデルになっておりますが、それにしたって壮絶。人殺したりとかしてないんだよ。してないのに167年。詐欺罪と、恋人に会いたいから脱獄したっていうので167年。まあその詐欺でえげつないほどの財力を手に入れているし、脱獄も4回やってるからこれ以上のフォローは無理ですが……。でもこれ全部、恋人のフィリップ・モリスのためにやってるのね。彼と自由な暮らしがしたくて。彼を笑顔にさせたくて。彼に愛してると伝えたくて。
脱獄しても行き先が必ずフィリップ・モリスのところだって分かってるからすぐ捕まるってあたりも微笑ましいじゃないの。脱獄する日は必ずフィリップ・モリスの誕生日の「13日の金曜日」ってあたりもいじらしいじゃないの。フィリップ・モリスご本人だってこの映画に出てきちゃうノリノリぶり(ジム・キャリーの隣に座る方が本人)だし、許しちゃいなよ、とは言わないけど、もう少し情状酌量の余地があっても、いいんじゃないですかねえ。167年て。手加減一切ないな。
ロマンティストは罪なんだなあ……。詐欺で大金せしめてりゃそりゃ罪ですけども。

ユアンの演技は「恋すると人って凄くいい顔になるなあ」「ああ恋してる人って愛しいなあ」っていう風に、すごく優しい気持ちさせてくれます。愛に満ちた人って人を幸せにしますね。ユアン超可愛い。友達になりたい。友達になって彼氏の悩みとか聞きたい。絶対可愛い。でもきっと可愛いのはユアンじゃなくてフィリップ・モリスさんなんだろうなあ。
ジム・キャリーは通常運行だよ。通常運行でキレッキレでとても面白いのでそれはそれで観る価値ありです。

ところでフィリップ・モリスって本名なんだろうか。ありふれた名前なのかもしれないけど、どうしても気になる。名前を聞くたびタバコブランドのエンブレムが頭に浮かんで雑念を払うのが大変でした。


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