2015年7月3日金曜日

マイケル・ジャクソン THIS IS IT……人間としてのマイケル・ジャクソン、神様としてのマイケル・ジャクソン


2009年/アメリカ
ケニー・オルテガ監督


あらすじ:
マイケル・ジャクソンの幻となってしまったライヴリハーサル映像をお蔵出しします。


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この映画を「映画」としていいものかどうか悩みますが、当時劇場に文字通り何十回も足を運んだ身としては映画として扱おうかなと、思いまして。あと当時よりも冷静にこの映画と、マイケル・ジャクソンに起きた事を受け止められそうな気がしまして。

マイケル・ジャクソンが大好きです。むかーし、むかーーーしにおつきあいしていた方に「将来ネバーランドに住みたい」と言って白い目で見られたことがあります。見られて当然だと思います。

ライヴ映像といえば、私は個人的にブカレストで行われたライブ映像のDVDを所有しているんですが、こちらはファンには伝説となった「登場時2分間直立不動」というパフォーマンス、パフォーマンス?の様子が映し出されておりまして、出てきた途端ライヴに訪れたファンがばったばったと倒れていくんですね。そこに立ってるだけなのに。もちろんその後もコンスタントに人は倒れていき、どんどん救護室に運ばれていくんですが、そんなばかなことあるかよて私思ってたんですね。思ってたんだけど、ちょっと、この「THIS IS IT」を観たら納得してしまいました。この映画を観ていると、圧倒されて気絶しそうなのはファンだけではないんだなという事を思い知らされます。スタッフも、バックダンサーも、バックバンドも、コーラスも、彼と初めて仕事をする事になった人は特に、神様を見るような目をしているんですね。彼らだってマイケルの後ろで踊ったり演奏したりする以上一流のプロフェッショナルな訳ですが、彼らはマイケルの事を同じパフォーマーとしてというよりは、次元の違う何かのように見ているように思えました。

マイケルは浮世離れしているオーラこそ出ていますが、実際のところとてもチャーミングな人なんですね。映画の中で彼はいつもニコニコしているし、要望を言うときはいつもすまなそうにしている。要望を受け入れてもらえると、ありがとう、といってニコッとする。礼儀正しい、普通の、善良な人間の立ち振る舞いなんです。KING OF POPと謳われ、音楽界の頂点に立ちながら、驕ったところが全く見受けられない。
正味な話、彼は歌と踊りとパフォーマンスをとても愛しているだけの、世間知らずな一人の人間なんですね。きっと彼は自分の事をそう思っていたと思います。
ただその、「歌と踊りとパフォーマンス」の愛し方が誰よりも突出していたし、誰よりもそれらに愛されていたために、世間は彼を人間とは見なくなってしまった。そんな簡単なことではないでしょうが、でも、突き詰めていけばただそれだけの、簡単なことなのではないかな、と、彼の笑顔を見ていると思うんです。
誰もが彼を神として見る世界の中で、それでもあくまで一人の人間であり続けたのは、彼が誰よりも、人間でありたかったのではないかなと思うのです。神様になってしまった事を受け入れる一方で、誰かと笑いあいたかったし、尊重しあいたかったし、譲り合いたかったし。彼は例え神であっても、孤独を受け入れられるような人ではなかった。だから人々がそうするように、謙虚に生き、笑いかけ、冗談を言い合い、人であろうとしたのではないかな、と、思うんです。あー、なんだこれはー、全然冷静になれていない文章だなーあーあー!

晩年ともなるとやはり、顔面の崩れの痛々しさは否めません。私的マイケルの顔面全盛期はRemember the Timeなんですが、パフォーマンスしている時の彼はこの時期に勝るとも劣らないと思います。とてつもなくかっこいいんですね。50歳だとはとても思えない。
今でもこのライヴを最後まで完成させてほしかった、という気持ちでいっぱいです。

最近完全フルCGで新曲のパフォーマンスが発表されましたね。大人の事情やらお金の話やら、いろんなことが絡むとは思うのですが、製作側の芯の部分には彼を愛している人の想いがとても感じられました。彼はやはり世界中の音楽を愛する人の神だったし、偶像を望む人の手によって今彼は本当に神になってしまったのだなと思ったニュースでした。

映画から逸脱しすぎている……余計な動画をやたら貼り出す前に終わりにしましょう。あぶない。


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